悪質な税滞納者の告発増加

公開日 : 2010年10月5日


 国税当局が、悪質な税金滞納者に対し、刑事告発するケースがここ数年急増。脱税の摘発とは別に、納めるべき税金を滞納し、悪質な資産隠しをして差し押さえを逃れた人を「滞納処分免税」容疑で告発。

 悪質な脱税犯を摘発する強制調査には令状が必要だが、徴収部門の場合、令状は不要。国税徴収法には「滞納処分のため必要があるときは捜索することができる」と規定され、徴収部門の判断でいつでも捜索や財産の差し押さえができる。

 財産を隠蔽して差し押さえを免れようとする悪質な滞納者は、国税の徴収部門が同法違反(滞納処分免税)容疑で検察に告発可能で、罰則は懲役3年以下または250万円以下の罰金。

 同法違反の告発は1960年の同法施行以降、2005年度までに5件だけだったが、2006~2009年度は、計16件に急増。ここ数年は、検察や警察に積極的に協力を仰ぎ、同容疑で告発するノウハウが蓄積されてきたようだ。

 国税当局は、差し押さえ債権の取り立てや、詐害行為の取り消しなどを求める訴訟も活用し、2009年度の訴訟提起は前年度より40件多い226件で、過去40年で最多を記録。2009年度の国税滞納残高は、1兆4,955億円。

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