年金 世代別の収支

公開日 : 2012年2月11日


 国民年金や厚生年金などの公的年金をもらえる額から支払った額を差し引いた生涯収支を世代間で比べると、50歳代半ば以下の世代で支払の方が多くなることが、内閣府経済社会総合研究所の試算でわかった。
 
 試算では現行制度の国民、厚生、共済の各年金を対象に、1人あたりの「保険料支払額(企業負担含む)」と「年金受取額」を5歳刻みで算出。物価上昇率を1%程度、年金積立金の名目運用利回りを4%とした試算を「標準ケース」とし、将来の支払額と受取額を現在の価値に引き戻して調整。
 
 1950年生まれ(62歳)では生涯の保険料の支払額が1,436万円、受取額は1,938万円で、502万円の受け取り超過となるが、1955年生まれ(57歳)世代の収支は数千円のプラスに縮小し、それ以下の世代の収支はマイナスになる。最も損をする1985年生まれ(27歳)は712万円の受け取り不足。20年間年金をもらうと仮定した場合に月3万円ずつ足りない計算。
 
 企業負担を除いて見た場合、自己負担がおおむね半分として計算すると、1990年生まれの人の自己負担額は約960万円。年金受取額は1,200万円強なので、まだ制度に加入する恩恵はある。


支払い得←  標準ケース(単位:万円)
世代別の年金の受け取りと支払いの差
        生年  保険料支払い 年金受取額    収支
          1950        1,436     1,938    502
          1955        1,876     1,877      0
→支払い損
          1960        2,066     1,783  ▲283
          1965        1,996     1,579  ▲417
          1970        2,059     1,535  ▲523
          1975        1,946     1,359  ▲588
          1980        1,925     1,269  ▲656
          1985        1,978     1,265  ▲712
          1990        1,924     1,219  ▲705
          1995        1,797     1,122  ▲674
          2000        1,688     1,052  ▲636

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