大卒の非正規労働者、4万人超
公開日 : 2012年9月12日
文部科学省の2012年度の学校基本調査速報で、今春の大学卒業者のうち、契約・派遣社員やアルバイトなど雇用期間に限りがある非正規労働に就いた人が計4万人を超えたことが分かった。
同調査によると、週30時間以上働く派遣社員や契約社員などになったのは2万2千人で、アルバイトなどの一時的な仕事と合わせ、非正規で働く新卒者は4万2千人にのぼる。
非正規でも仕事に就ければ良い方で、内定を得られないまま卒業し、就職活動を続けている人は、新卒者全体の9%弱にあたる4万9,000人にのぼる。
厚生労働省は今年度から全国約200カ所のハローワークにフリーターなどの就職支援拠点を設置し、1人ひとりに担当者を充てる個別支援を行う。さらに10月には東京、大阪、愛知で若者専門のハローワークも開設する。
また、大学を今春卒業した約56万人のうち6%にあたる約3万3千人が、進学も就職の準備もしていないことが、文部科学省の調査で分かった。
今春の大卒者は昨年比1.2%増の55万9,000人で、このうち35万7,000人が就職した。就職率は63.9%で2.3ポイント増え、2年連続で改善。文部科学省は大企業志向が強かった学生が中小企業に目を向けた影響が大きいと見ている。
ただ就職も進学もしなかった約8万6,000人の現状を初めて調べたところ、就職や進学の準備をしている人は約5万3,000人にとどまり、残り約3万3,000人はどちらの活動もしていない。男性が約1万8,000人、女性が約1万5,000人で、家事手伝いやボランティア従事者なども含まれるが、いわゆるニートが大半を占めるとみられる。
全国に約60万人といわれるニートは高卒者や学校中退者が多いとみられていたが、大学の新卒者でも数万人規模に上ることが分かり、問題の深刻さが鮮明になった。