主な追加経済対策
公開日 : 2009年4月13日
住宅・金融
住宅金融支援機構が民間金融機関と提携する長期固定住宅ローン「フラット35」について、融資上限を物件価格の9割までから10割に引き上げ。
フラット35は、新規の融資だけが対象だったが、今後は借り換えも認める。省エネルギーや耐震性に優れるなどの優良住宅の購入で利用する場合は20年間(現在は10年間)、0・3%の優遇金利を受けられる。
個人が贈与を受けて住宅を買った場合などに贈与税の非課税枠を500万円上乗せし、660万円とする。今年1月からが対象で、期限は2010年末まで。減税を受けるには確定申告時に登記事項証明書や住民票の写しなどを提示する必要あり。
雇用
雇用調整助成金の拡充。休業手当に対する助成率を大企業で従来の2/3から3/4に、中小企業なら 80%から90%に引き上げ。
雇用保険は保険料を払った人が救済対象となるが、雇用保険に加入するには週20時間以上働き、雇用見込み期間が6カ月以上必要。働く期間が短い非正規労働者が漏れてしまうのを補うため、非正規労働者や、失業給付の切れた長期失業者に職業訓練を条件に生活費を月10万~12万円支給する「緊急人材育成・就職支援基金」(仮称)を創設する。
派遣労働者の中には企業の寮に住む人も多く、契約を打ち切られると職と同時に住いを失ってしまう。今回の対策ではこうした労働者に、住宅手当として月額数万円の支給も決めた。
派遣を安易に解雇するような事例を防ぐため、派遣先の責任で派遣契約が途中で解除になった場合、派遣先が損害賠償することを派遣元との契約で定めるよう指針に明記。悪質な内定取り消しをした企業名を公表するなど労働者保護を重視。
家計
新車登録から13年超たった車を廃車し、2010年度の燃費基準を満たす新車(全体の約9割が該当)に買い替える場合、普通乗用車で25万円、軽自動車では12・5万を助成。バスやトラックなどには40万~180万円の助成。
廃車を伴わず10年度の燃費基準を15%以上上回る低燃費車を購入すると、普通乗用車は10万円、軽自動車は5万円の補助が受けられる。
これは、来年3月末までの時限措置で、法案成立までの買い控えを防ぐために4月10日以降に新車登録や届け出をした車を対象にする
省エネルギー型家電製品の普及を促す制度も導入される。対象はテレビ、冷蔵庫、エアコンの3品目。省エネ性能を示す「省エネラベル」で4つ星以上の家電を購入すると、販売価格の5%分の「エコポイント」がもらえ、ポイントは省エネ商品の購入などに使える。
さらに地デジ対応の薄型テレビ購入にはエコポイントを5%上乗せし、旧型テレビをリサイクルすればさらに3%上乗せし、最大13%の補助が受けられる。ポイントの上限は3万9,000円分(購入価格30万円)で、これも来年3月末までの時限措置。
太陽光発電などの新エネルギー普及ための1件あたりの補助金(20万~25万円)は変わらないものの、今年度予算を超える270億円程度(11万件)の設置補助枠を設け、普及率を高める。
医療
女性特有のがん対策では、一定の年齢の女性には市町村を通じて無料クーポンを配り、子宮頸(けい)がんや乳がんの検診費用を免除する方針。医療費補助の対象となる難病の数を現在の45から11種類増やす。
介護施設の整備には3年間で約3,000億円を投じ、前倒しで進める。特別養護老人ホームと老人保健施設、ケアハウス、グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所が助成の対象となる。
例えば小規模の特別養護老人ホームの場合、現在一床当たり200万円の助成を350万円に増やし、さらに 60万円の開設経費も助成する。
介護職員の給与を引き上げるために、都道府県に約4,000億円の基金を設置。10月以降、介護職員の待遇改善や技能向上に取り組む事業者に「介護職員処遇改善交付金」を介護報酬とは別に出す。実施期間は2年半。介護職員をすべて常勤とみなした場合、1人当たり月1万5,000円の給与アップに相当する。
追加の経済対策で、さらに国債を10兆円発行し、合計が40兆円になるらしい。税収が50兆円弱であるから、民間企業ならば売上に匹敵する額の借金が増えることになる。年間売上と同じぐらいの借金が増える企業があるだろうか?金融機関は、中小企業に対し年商の何割しか貸してくれないことを考えれば、異常な額である。
短期のことばかり考えず、もう少し長期的な視野で考えてもらいたい。年金等で将来安心した生活が確保されれば、貯蓄に回らず消費に回るのだから、その辺のことを考えてもらいたい。