労働基準監督署への申し立て

公開日 : 2009年4月22日


 労働基準監督署に不服を申し立てる労働者が増加している。2008年の申し立て件数は、39,384件となり、1955年以来、53年ぶりの高水準で、不当解雇や賃金不払いなどの不服が多い。
 

 全国約320の労働基準監督署は、雇用問題に関する相談や申告を受けつけていて、労働基準法などの法律違反が判明すれば、会社に是正を勧告する。勧告に従わない会社は送検されることもある。
 

 08年の申し立て件数は前年比11%増え、55年(55,999件)以来の高水準となった。09年に入っても1月は3,647件、2月は3,811件と高水準。内訳は、賃金不払いの28,955件が最多。業績不振の会社から賃金をもらえなくても数カ月間辛抱して働いてから、申し立てる労働者が目立つという。
 

 一方、職場に突然こなくなるなど、賃金不払いの責任が労働者にあるケースもあるようだが、この場合でも、会社は働いた期間の賃金を払わなければならない。
 

 08年の解雇は7,360件で、解雇手続きが十分でない会社が多かったようだ。企業が労働者を解雇する場合は、30日以上前に通知する必要がある。通知しないときには、30日分以上の賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない。

 こうした手続きを知らない会社の増加が件数を押し上げているとみられる。労働基準監督署は「解雇の重みをわかっていない新興会社の担当者もいる」反面、「入社後すぐに問題を起こし、会社からの解雇予告手当を狙うような常習者もいる」と話している。

 労働審判制度などもあるので、不服がある場合には活用してもらいたい。

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