47の租税特別措置見直し

公開日 : 2009年10月18日


 政府税制調査会は、2010年度税制改正で、今年度末に適用期限が切れる47の租税特別措置を中心に、廃止か継続かを決定する方針を確認した。 見直し対象となる47の租税特別措置はいずれも国税。減税措置が大部分で、合わせると6,000億円弱になる。増税措置もあるが、差し引きで約2,700億円の減収要因になっている。
 

 減税措置の多くは法人税関連で、規模が最も大きいのは、中小企業が機械などを購入した際に法人税額を差し引く「投資促進税制」。「研究開発促進税制」の一部も期限切れとなり、これらを廃止すれば、一定の増収が見込めるものの、企業の投資意欲を後退させかねない。
 

 大企業の交際費の損金算入を認めない「交際費等の損金不算入」により、約3,300億円の増税効果があるため、政府税制調査会内でも「継続しなければならない」との意見があるようだ。
 

 今年度で期限切れとなるもの以外では、ナフサ(粗製ガソリン)への免税措置や住宅ローン減税がある。ナフサ免税は3兆6,000億円の減収規模があり、廃止すれば産業界への影響は大きい。民主党は衆院選前、ナフサ免税を継続する考えを示している。住宅ローン減税も、不動産業界への影響から、廃止は難しいだろう。

▼租税特別措置
 特定の政策のために、設けられた税制の例外措置。国税分だけで310に上り、2009年度予算では5兆1,000億円の減収要因となっている。政府税制調査会は、租税特別措置の見直しを最優先課題と位置付けている。地方税にも500近い非課税措置がある。

・2009年度末で期限切れとなる主な租税特別措置
[法人関連、単位:億円。▲は減税。09年度見込み額]
 増減税規模
交際費等の損金不算入 3,310
中小企業投資促進税制 ▲2,500
情報基盤強化税制 ▲700
中小企業が取得した少額減価償却資産の損金算入の特例 ▲290
特定電気通信設備等の特別償却 ▲20
研究開発促進税制の一部 ▲数十

・租税特別措置の種類(計310)
所得税 111
法人税 92
相続税 23
地価税 17
登録免許税 27
間接税 36
その他 4

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