最低賃金(平均1,000円)、先送り
公開日 : 2010年6月7日
政府は最低賃金について、2020年までに全国平均で時給1,000円を目指す方針や都道府県ごとに異なる最低賃金の下限を早期に800円までに引き上げることを固めた。民主党は、昨年の衆院選マニフェストに全国平均で1,000円を目指すことと800円を想定した「全国最低賃金」の設定を盛り込んだが、実現時期は明記していない。
2009年度の最低賃金は、全国平均で時給713円。最高は東京の791円、最低は沖縄などの629円だった(千葉県は728円)。地方では最低賃金で従業員を雇う中小企業も少なくない。企業の生産性が高まらない状態で賃金を引き上げれば、単なる人件費の増加につながり、経営が圧迫される。
最低賃金を巡っては、労働組合側が、働いても自活できない「ワーキングプア」を救済するために引き上げを強く求めており、経営側は、企業が人件費を抑制するために採用を減らすことで雇用の喪失につながるとして、引き上げに難色を示している。
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