中国が日本国債の購入加速

公開日 : 2010年7月11日


 中国が日本国債への投資を加速してきた。今年に入って期間1年以内の短期債を中心に買越額が急増。   1~4月の累計額が5,410億円に達した。中国の投資の拡大は、欧州の財政危機に対する不安が高まった時期と重なっており、運用先を日本国債にも広げた可能性がある。外国人の保有率が低い日本国債で、中国マネーの行方には注目だろう。
 

 財務省によると、2005年以降の証券売買で買い越しとなったのは、2005年(2,538億円)、          2006年(2,091億円)と2008年(378億円)の3年。今年は過去最高だった2005年を1~4月だけで2・1倍の買越額を記録。
 

 売買は償還期間が1年以内の短期債が中心で、4カ月間の短期債の買越額は5,177億円。5年や10年の中長期債は234億円の買い越し。4月単月でみると買越額は1,978億円で、海外勢では英国に次ぐ2位。5月以降も買いが入っているようだ。
 

 日本国債の外国人保有率は、今年3月末で4・6%(金額では31兆円)と他の主要国に比べて極端に低い。国内消化が多いため大量発行にもかかわらず、財政不安を抑えていた面があるが、中国マネーの存在感が高まれば、日本の国債市場に影響を及ぼしかねない。

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