年金給付50兆円突破
公開日 : 2011年2月3日
公的年金の支給総額(年金総額)が2009年度に初めて50兆円を突破したことが、厚生労働省の調査で分かった。年金の受給者数が3,703万人と前年度と比べ3・1%増える一方、支え手である加入者は0・9%減の6,874万人に減った。現役1・8人で受給者1人を支える構図となる。
年金総額とは、2009年度末で年金をもらっている高齢者の1年分の年金額を合計したもので、国民全員が加入する基礎年金、会社員の厚生年金、公務員の共済年金、福祉年金が含まれる。2009年度の年金総額は約50兆3,000億円と前年度と比べ2・8%増えた。10年前と比べ3割以上膨らんだ。
1947~49年のベビーブーム期に生まれた約700万人の団塊の世代が年金を本格的にもらい始める12年以降、年金支給額はさらに拡大し、厚労省の推計によると、年金給付費は15年度には59兆円と2割増え、25年度には65兆円まで膨らむ見通し。
制度別にみると、基礎年金は前年度比3・9%増え約18兆円、厚生年金は2・3%増の約25兆5,000億円、共済年金は1・9%増の約6兆6,000億円。政府は、基礎年金への税の投入割合を3分の1から2分の1に引き上げたが、厳しさは今後一段と増す見込み。
厚生年金保険料の算定基礎となる標準報酬月額の平均は前年度比2・8%減の30万4,173円。標準報酬月額が減れば、その分保険料収入が減るため、年金財政が厳しくなる。2009年度の国民年金保険料の納付率は、初めて60%を割り込んだ。
こういった状況の中で、年金支給年齢を引き上げるとか言い出した。日本は一般の人で25年間、年金を払わなければ年金を受け取れない。アメリカは10年、ドイツ5年、スウェーデンでは3年で受給権を得る。私の世代では払った年金より、もらう年金のほうが間違いなく少なくなる。ただし議員(国、地方とも)は、我々の半分以下の期間、年金を払えば年金をもらえるし、払った何倍もの年金を受け取れる。