下請け代金の不当減額、29億円超

公開日 : 2009年6月4日


 発注者側が、下請け業者へ支払うべき代金を不当に減らすという下請法違反で、2008年度に返金された額が前年度比2・7倍の総額約29億5,000万円にのぼり、04年4月の改正法施行後最高となったことが、公正取引委員会のまとめで分かった。是正勧告も前年比2件増の15件で最多。
 

 08年度に出した勧告のうち、下請け業者に商品購入を強制した1件を除く14件が代金の不当減額。勧告措置にとどまった発注者側も含め、計50社が下請け約2,000社に計約29億5,000万円を返還した。07年度には、46社が計約10億8,000万円を返還したのに比べ、金額では約3倍。
 

 08年4月には井関農機の子会社3社に対し1件当たりで過去最高となる計約10億9,000万円、同年6月にマツダに過去2番目となる約7億7,000万円の不当減額をそれぞれ認定。08年度は、大型案件が相次ぎ、総額を押し上げた。
 

 違反防止への取り組みも強化し、定期的な書面調査に何度も回答していない発注者側13社に対し、初の特別実地検査をし、書面の不備などで2社に警告した。数年間で複数回の勧告を受けた運送会社など4社の代表者や役員を呼びつけ、対応などについて初めての聞き取り調査も行った。
 

 厳しい経済状況で、親事業者が下請事業者に無理を言うケースがあるが、優越的地位の乱用は許されない。

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