消費税収、変わらず

公開日 : 2009年6月8日


 景気後退で法人税収や所得税収などが大幅に減るなかで、消費税収は、ほぼ横ばいで推移している。08年度の国税収入は、前年度実績を大幅に下回りそうで、全体が8・2%減っているのに、消費税収は0・1%増えている。
 

 原因は、消費税の2重課税を避ける制度である、輸出の戻し税。輸出企業が申告すれば、国内での原材料の仕入等にかかる消費税を還付してもらえる制度。輸出品にかかる消費税収は海外の政府に入るので、還付金の大きさが日本の消費税収に大きく影響する。
 

 輸出が好調だった07年度の還付金総額は3兆3,000億円で、前年度より約4,000億円増えた。一方、昨年秋以降は、日本の輸出が大幅に減少し、この半年間の還付金総額は前年同期を約600億円下回り、輸出の戻し税が消費税収の押し下げ要因から押し上げ要因になった。
 

 ただ、輸出の減少によって、消費税収は好調でも、企業収益の悪化により、法人税収はマイナスだ。

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