冬のボーナス
公開日 : 2009年12月17日
2009年冬のボーナス調査では、ほとんどの業種で、支給額が減少し、なかでも精密機械や自動車・部品などの輸出型産業の落ち込みが目立つ。投資抑制や人件費削減による消費の低迷から、内需型産業にも減額の動きがでてきた。
製造業では、精密機械が27・3%減、自動車・部品が22・5%減で、機械や鉄鋼も20%超の減額となった。これらの業種では、減額が20万円前後に上った。
非製造業では、空運(48・2%減)、情報・ソフト(22・1%減)などの下げ幅が大きく、空運は日本航空インターナショナル(地上)が冬のボーナスをゼロにしたことが響いた。百貨店・スーパーや倉庫・運輸関連も10%超の減少だった。非製造業で唯一のプラスだった陸運では、ヤマト運輸が牽引し、通信販売市場が好調なため、輸送需要が増えている。
企業別のボーナス支給額ランキングでは、任天堂が6年連続で首位。支給額は、0・5%減と3年連続で前年を下回ったが、他の上位ランク常連企業が軒並み順位を下げたことで、首位の座を守った。2位以下は大きく変動し、世界不況や円高を背景にソニー、トヨタ自動車やホンダなどの輸出関連企業や新日本製鉄などが後退。一方で、高齢化社会の影響なのか、医薬・医療関連企業が好調で、上位20社のうちの約3割を占めた。
1人当たりの税込み支給額(加重平均)は、70万1,571円で、前年比14・81%減少し、20年前の水準まで落ち込んだ。過去最大の減少率となり、平均支給額は12万円減った計算。
平均支給額が減るのは2年連続で、今回の水準は、89年の69万2,654円以来の低水準だ。昨年より減額した企業の割合は、83%で、前年調査の51%から大幅に上昇。10%以上減った企業が、全体の過半を占めた。増額企業の割合は、前年の44%から12%に低下した。
冬のボーナス 支給額ランキング
順位 社名 税込み支給額(円) 2008年冬比増減率(%)
1 ( 1) 任天堂 1,453,306 ▲0・54
2 ( 8) 武田薬品工業 1,167,000 1・30
3 ( 4) JFEスチール 1,105,000 ▲7・91
4 ( 27) ホギメディカル 1,085,600 6・57
5 ( 26) 日本たばこ産業 1,055,000 3・43
6 ( 18) 日本IBM 1,006,300 ▲4・79
7 ( 35) インフォコム 1,002,311 -
8 ( 34) 東宝 994,000 0・60
9 ( 11) 住友金属工業 990,000 ▲12・38
10 ( 17) 大塚商会 977,047 ▲8・34
11 ( 30) 東京製鉄 970,000 ▲4・19
12 (232) アイ・エム・アイ 969,385 27・09
13 ( 20) アサヒビール 958,158 ▲8・76
14 ( 9) アステラス製薬 958,000 -
15 ( 45) 科研製薬 957,693 ▲0・10
16 (218) 塩野義製薬 951,400 -
17 ( 90) 不二製油 950,972 8・05
18 ( 49) 第一三共 945,100 ▲0・43
19 ( 58) NTTドコモ 941,000 0・00
20 ( 25) 三菱ガス化学 935,000 ▲8・33
(注)カッコ内は前年順位、▲は減少