労働者派遣法改正案
公開日 : 2010年3月28日
政府は今月、労働者派遣法改正案を閣議決定した。労働者派遣法の改正では、「登録型」派遣などの原則禁止だけでなく、派遣労働の様々なルールが変わる。
登録型派遣は、通訳やソフトウエア開発など専門26業務を除いて禁止。製造業派遣は、「常用型」のみ認められる。2カ月以内の短期派遣や日雇い派遣も禁止。登録型派遣の原則禁止は、公布から3年以内、その他は同6カ月以内に施行する。
親会社が傘下の派遣会社に従業員を転籍させ、派遣社員として再び使う事例などを防ぐために、グループ企業に派遣する「グループ内派遣」では、派遣する働き手の割合が8割以下に制限される。厚生労働省によると大企業が持つグループ内派遣会社の約7割が、8割オーバーだ。
違法行為が発覚した時に、派遣社員が派遣先と直接雇用を結べる「直接雇用みなし制度」ができるようになったり、定年退職などで離職した人は、1年たたないと派遣社員として受け入れられなくなる。
「事前面接の解禁」は見送られてしまったが、事前面接は、企業と派遣社員が、働く前に雇用条件などをチェックでき有用。規制を強化するだけで、正社員への移行が進むとは考えにくく、逆に働く機会を失う人が、増えてしまわないかと心配になる。
派遣労働はこう変わる
派遣労働者(202万人)
登録型(87万人)仕事があるときだけ働く
製造業派遣(20万人) ×公布後3年以内
日雇い派遣 ×公布後6ヶ月以内
専門26業務以外(24万人) ×公布後3年以内
専門26業種(通訳、秘書などで43万人) ○雇用は維持
常用型(115万人)仕事がない時も常に派遣会社と雇用契約を結ぶ ○雇用は維持
(注)人数は08年6月時点