個人の信用情報の開示件数、過去最多
公開日 : 2010年4月15日
個人が、自分の信用情報の開示を請求する件数が、増加している。2009年度に信用情報機関のシー・アイ・シー(CIC)が本人に開示した信用情報の件数は、前年度比6%増の109,000件で過去最多に。貸金業者が、6月の改正貸金業法の完全施行を前に、審査を厳しくしていることを反映しているとみられる。
信用情報は、貸金業者がクレジットカードを発行したり、キャッシング利用枠を設定したりする際などに照会するデータで、手数料を払えば、他社のカードでの利用や支払い実績などを確認できる。
CICによると、03年の個人情報保護法施行をきっかけに、個人による信用情報の開示請求件数が増えており、09年度は11万件に迫る水準。改正貸金業法の完全施行による規制強化や住宅ローンを契約する前に、あらかじめ自分の信用情報を確認しておくなどの利用者が多い。
改正貸金業法では、貸付総額を利用者の年収の1/3以下に抑える総量規制の導入や貸付上限金利も 29・2%から20%に下がる。このため、カード会社を含めた貸金業者は、返済能力の低い個人への融資の絞り込みや、カード発行の抑制に動いている。
このため、キャッシングの利用枠を縮小されたり、カードの入会審査を通らなかったりした個人が、自らの信用情報を確認していることが開示請求を増やしている要因だろう。
総量規制が導入されると、貸金業者は、信用情報機関に登録された利用者の借り入れ状況だけではなく、年収も正確に把握する必要がある。そのため、源泉徴収票などの年収を証明する書類を集めるのが大変だろう。
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